ブッテーロの魅力を引き出すケア方法
イタリアンレザーの中でも、ひときわ高級感と存在感を放つブッテーロレザー。駒屋のファクトリーブランド・アークトエディーでも、フラッグシップアイテムとして人気の素材です。
今回は、駒屋の製品修理も担う職人・田中さんに、日々のお手入れ方法から経年変化の楽しみ方まで、たっぷり語っていただきました。
ブッテーロレザーって、どんな革?
「まず「ブッテーロって何?」と思う方も多いと思います。ブッテーロはイタリア・トスカーナのワルピエ社が製造する、伝統的な製法で作られた牛革。しっかりとしたハリとツヤ、鮮やかな発色が魅力です。駒屋ではミニ財布や6分類小銭入れなどに使用しています。」
「ブッテーロの革は素材本来の風合いを活かした、自然な味わいを持つ革。使い込むほどに自然なツヤが生まれ、深みのある表情へと変化していきます。“育てる革”と言ってもいいくらい、持ち主の使い方で革の表情が育っていくのが特徴です。」

ブッテーロレザーの魅力は「育てること」
「ブッテーロの面白さは“変わっていく”こと。だからこそ、お手入れも完璧にするより「気にかけるくらい」がちょうどいい。何年も使って“いい顔”になった革製品を見ると、「よく育ったなあ」って、嬉しくなるんですよ。」

お手入れは「やりすぎない」くらいがちょうどいい
「お手入れといえば、クリームやオイルを塗るイメージがあるかもしれませんが、ブッテーロにはもともとしっかりオイルが入っているので、基本は乾拭きだけでOK。柔らかい布で軽く拭くだけでツヤが出てきます。」

乾燥が気になったら、クリームを“ほんの少し”
「冬場など乾燥が気になるときは、無色の保湿クリームをほんの少しだけ塗ってあげてください。量は米粒くらいで十分。市販の“ヌメ革用”と書かれた、デリケートな革にも使えるクリームがおすすめです。」

美しいエイジングのために、意識したいこと
「一番のコツは「使うこと」。毎日ポケットに入れて、手で触れて、愛用すること。そして時折、乾拭きをしてあげること。少しずつ変化していく姿を、ぜひ楽しんでください。」
田中さんの言葉には、職人として革と向き合ってきた経験と、素材への深い愛情が込められていました。